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□7話 決戦
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ときどきこんな夢を見る。
ひとりぼっちで深海に沈んでいく。白い影のようになって、飲まれて行く。
そこで、ワインレッドの瞳を輝かせた少年が自分を見つけるのだ。
ひとりぼっちの自分が光に包まれていく。
深海に突如差し込んだ眩しい光は、しかしその少年をも飲み込んで隠してしまう。
彼を、見つけたくて。
浮かび上がろうともがいている。しかし、彼に会えない。いつまでも、彼に会えない。
やがて光は薄れて行く。
一つの黒い影を、やっと見つけた。
しかし、それは本当に彼なのだろうか。
手を伸ばそうか躊躇って、いつもそこで目が覚める。