【リクエスト】
□俺達なりの休日
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晴れた空。
綺麗な雲。
暖かな日差し。
これは明日も晴れそうだ、そんな呑気なことを考えていたのは昨日までの話で。
折角の休日なのに気分はブルー。
なんせ、今日は大雨だ。
雨が降っているだけならまだしも、今日は総悟とのデートだったのに。
しかも、総悟から誘ってもらったものだ。
買い物に付き合え、と。
デートなのか、と聞かれれば買い物というだけなので即答は出来ないが、恋人からの一緒に出掛けようという誘いなので、デートだと思ってもいいのだと思う。
なのに、朝。
「今日は雨だし買い物行かなくていいでさァ」
と、デート中止の連絡が来た。
雨の上にデートは中止。
今日はなんて最悪な日。
俺は何とか気を紛らわそうと、する事を探すが何もない。
「はぁぁ…」
俺は大きな溜め息を吐くと、ベッドに思い切りダイブした。
どうしようかと悩む。
電話を掛けて、総悟の家に行ってもいいか聞いてみようか。
でも断られたらどうしよう。
あぁ、もう、俺のバカ。
ダメもとでいいから聞こう。
「………」
俺は携帯を手に取り、少し震えた指で番号を押す。
そして発信ボタンを押した。
数回コールが鳴る。
『…もしもし』
「も、もしもし、俺だけど」
『土方さん?どうしたんで?』
「…あの、さ…今からお前んち、行って良いか…?」
緊張する。
電話で話すのってこんなにも緊張するものだっけ。
『えー、あー、アンタ言うの遅い、無理』
「え…」
今までの緊張感は、打ち砕かれて。
しょうがないと思っても、やっぱり虚しくて。
「…そうか、うん、分かった、じゃあな」
『え、ちょっと、待っ─』
…ピーンポーン。
突然チャイムが鳴り響く。
誰だろう。
宅配便か何かだろうか。
ベッドから起き上がり、ドアへと向かう。
そしてドアを開けると。
「あーもう…だから遅いって言ったんでィ」
そこには総悟がいた。