【沖土・土沖】
□日常の中で
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「あ、トシー、ドラマの再放送始まるぞ」
呼び止められた部屋の先には近藤さん。それと山崎。
机に置かれた煎餅を頬張りながら、こっちへ来いと手招きされた。
「…今日、最終回だっけか」
「おう」
会話しながら部屋に入り、テレビがちょうど正面に見えるところへ座り込んだ。
「あれ、みんな揃って何してんでィ」
「お、総悟か。お前も見るか?ドラマの再放送」
「あぁ、これか。これの犯人て」
「ぅぉおおおい!!何言おうとしてんだテメーは!!」
ドラマの犯人をバラそうとすると土方さんに止められた。
ちぇっ。何でィ何でィ。
「…ったく、お前はよォ…」
そういう土方さんの首元はスカーフが取られていて鎖骨とか綺麗な首筋が晒されていて。無性に腹が立つ。
そんなところ、誰にも見せないで。
「おっ、始まったぞー」
「…土方さん」
「あ?何────……」
振り向く土方さんに、口づけをした。
「っ!?」
「………スカーフ、つけなせぇよ」
「ばっ……、見られたらどうしてくれんだッ」
小声で怒る土方さんに、どうせドラマに夢中でさァ、ともう一度口づける。
ハラハラ、ドキドキ。
堪んない。
不意打ちすると見せる驚いた顔。
これハマりそう。
「ね、土方さん」
「…っんだよ」
「主人公の親友でさ」
「は?」
「ドラマの犯人」
「何ネタバレしてんだァァァ!!」
「トシうるせーぞー」
「いいところなんだから静かにしてくださいよ副長ー」
「山崎テメー切腹だァァァ!!」
「えぇぇっ!?」
やっぱり土方さん、最高。
面白すぎる。
本当に期待を裏切らないな。
end