【沖土・土沖】

□暇人と“好き”
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「ねーねー土方さん」

「あ?どうした?」

「呼んだだけ」

些細なやりとり。
別に何かしたい訳じゃない。
ただ、何となく暇だったから。

「お前、暇人だな」

「ふふ、言うと思った」

「生憎俺ぁ暇じゃねぇんだ、お前とは違って」

土方さんは書類に目を向けたまま言う。
あぁ、ホントに土方さんは弄り甲斐がある。

「ねーねー土方さん」

「次は何だよ…」

「好き、でさ」

「っい、いきなり何だよ…」

少し動揺しながら、答える土方さんは耳まで真っ赤で。
“好き”の一言で焦り過ぎ。

「あり?“お前暇人だな”って、言わないの?あ、嬉しすぎて頭真っ白になっちまいやしたか?」

「う、うるせぇ!!ちげぇよ馬鹿野郎!!」

「素直じゃねェなァ…」

口を尖らせながら言う。



─今夜こそは土方さんに好きだと言わせてやらァ。


fin

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