【沖土・土沖】
□暇人と“好き”
1ページ/1ページ
「ねーねー土方さん」
「あ?どうした?」
「呼んだだけ」
些細なやりとり。
別に何かしたい訳じゃない。
ただ、何となく暇だったから。
「お前、暇人だな」
「ふふ、言うと思った」
「生憎俺ぁ暇じゃねぇんだ、お前とは違って」
土方さんは書類に目を向けたまま言う。
あぁ、ホントに土方さんは弄り甲斐がある。
「ねーねー土方さん」
「次は何だよ…」
「好き、でさ」
「っい、いきなり何だよ…」
少し動揺しながら、答える土方さんは耳まで真っ赤で。
“好き”の一言で焦り過ぎ。
「あり?“お前暇人だな”って、言わないの?あ、嬉しすぎて頭真っ白になっちまいやしたか?」
「う、うるせぇ!!ちげぇよ馬鹿野郎!!」
「素直じゃねェなァ…」
口を尖らせながら言う。
─今夜こそは土方さんに好きだと言わせてやらァ。
fin