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□君の知らない僕の顔*青黒
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「あっ、ヤス!」
するとよこちょが楽屋に入ってきた俺に気付いて声をあげて、
ほっとした顔で俺のもとまで歩いてくる。
その後ろでは、大倉が寂しそうな、残念そうな顔をしている。
「もう、あいつどうにかしてくれ…。疲れる」
「ふふっ、分かった。俺が言っとくな?」
小声で言ってきたよこちょに、
そう優しい声で返事をして微笑むと、よこちょも微笑んでくれた。
きっと、俺が大倉にも優しく諭すと思ってるんやろうなぁ。
…そんな訳ないのに。
「ヨコー、次お前やって」
すると後ろから、ドアを開ける音と、村上君の声が聞こえた。
「分かった」
そう言ってよこちょは撮影に向かった。
さぁ、
大倉とお話ししないとな。