book1
□食事*緑黒
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「まだまだあるからおかわりしてな?」
大倉がキッチンの方をチラッと見て言った。
「え、まだあるん?」
「うん。だってこんなんじゃお腹いっぱいならへんやん。横山君もそうやろ?」
「ああ、まぁ…。でもドラマの撮影期間やし、あんま食べられへんねん」
「ダイエットってこと?もう十分痩せたやん!」
「気抜いたらまた太るかもわからんし。今回の役はシュッとしてないとかっこつかんしなー」
「これ以上痩せてどうするん?俺は横山君が…」
食べながら会話していたのに、急に言葉を切って箸を置く大倉。
さっきまでのニコニコ笑顔とは打って変わって
その目は真剣で。
「…おーくら?」
俺も思わず箸を動かす手を止めて黙ってしまった大倉を見る。
「心配、やねん」
「…!」
「横山君最近忙しいやん?関ジャニのと個人のとドラマ関係ので」
「そう…やな」
「なのに横山君、ドラマの為に食事制限して…というか、どうせちゃんと食事取ってないやろ?ロクな睡眠時間も取れてないのに…。
そんな無理ばっかりして、倒れたりしたらどうするん?」
「…ごめん」
仕事に追われてて、しかも食事制限を課しているから
実は最近あんまりきちんと食事を取っていなかった。
おにぎりとか、ケータリングの軽食とか、そんなんしか食べてない気がする。
大倉は、そんな俺に気づいて今日来てくれたんだろうか。