book1
□ドライブ*橙黒
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駐車場を出て、赤信号で止まる。
今日は助手席に裕ちんが乗っているから、いつにも増して慎重に運転せな!
「…マル」
すると、楽屋からずっと黙っていた裕ちんが僕に話し掛けてきた。
「なーにー?」
「どこ行くん?」
「…あ」
裕ちんとドライブ出来ることが嬉しくて目的地決めるの忘れてた。
「お前…ノープランかい」
ふはっ、って裕ちんが笑う。
あぁ、可愛いなー。
「マル、俺、埼玉にあるめっちゃ美味いラーメン屋行きたい」
「へ?」
「連れてってーや」
「…ふふ、ええよ!」
「ひなみたいに道案内したるわ」
「ひぇーっ、鬼教官2号や!」
2人の笑い声が車内に響く。
信号が青に変わったのを確認して、
僕はアクセルを踏み込んだ。
end