book1
□衝動の矛先*赤黒
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「…すばる?」
「なんや」
「いや….、なんやちゃうやろ。…この状況どういうことやねん」
俺は今日、プライベートですばるの家に遊びに来た。
リビングに通してもらって、ソファに腰掛け2人で狩りに出掛けた。
…うん、それはいつものことであるから、何ら問題はない。
ただ、何故か俺は今
ソファに押し倒されている。
そして、その上には馬乗りになっているすばるが。
全然理解できひん。
どういう状況やねん、これ。
「あの、すばる?何で俺…押し倒されてるん?」
「…ヨコが悪いやん」
「え?」
「ヨコが…。ヨコが、全部悪いんやで」
そう言うすばるは、眉間にシワを寄せて俺を真っ直ぐ見ている。
何だかすごく苦しげで、切なくて。
見つめあってるとか何も考えられへんかった。
目が逸らせなくて、ただ自分の上にあるすばるの顔を見てた。
「ヨコ、何で、俺じゃないん?」
少しの沈黙の後すばるが言った言葉は、衝撃だった。
「何で亮なん?俺かて、…俺のが、ヨコのこと好きやのに」