book1

□報告*紫黒
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汚したくないと思ってた。



こんなにも綺麗で、純粋で、繊細なこの子を。


傷ついても周りには隠して、ひたむきに頑張るこの子を。




そして、



「ヒナ」



そう呼んで、俺のことを信頼しきった目で見てくれるこの子を。






「ヒナ、ちょっとええ?」


ある日、2人での仕事が終わった後ヨコに声を掛けられた。


嫌な予感がした。




持ち前の勘の良さをこんなに恨んだことはない。



人払いした楽屋で告げられたのは


「俺、その…付き合うことになってん、あの、マルと」


予感的中、俺にとって全く嬉しくない交際宣言。


しかも、同じメンバーとの。



長い間一緒に居たから、この子に最近何か変化が起きたことはわかっていた。


しかも、恋愛関係の。


最近ヨコは丸くなったし、目に帯びる優しさが増したから。




でもそれが男、しかもメンバーであるマルの影響だとは気付かなかった。
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