book1

□食事*緑黒
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「ただいまー…」


「あ、横山君おかえり!」


ドラマの撮影が終わって疲れて帰った俺を玄関で迎えてくれたのは、


最近付き合い出した恋人の大倉と、すごく美味しそうな匂い。


メールで【今日家に行く】と連絡があった。この間渡した合鍵で入って、ご飯を作ってくれたんだろう。



2人で廊下を歩く。



「お疲れ、横山君!ご飯作ってあるよ。あ、それとも先にお風呂入る?」


「腹減ったから先ご飯食べるわ」


「わかったー。今日はハンバーグやでー」


リビングに入ってテーブルの上を見ると、ハンバーグをメインにした結構本格的な夕飯が。


「わ、美味そう!」


「ふふ、ほんま?」


そう言って微笑む大倉を見て


怒涛の仕事量を連日こなしている疲れも忘れた。


これが幸せなひと時ってやつやな。



部屋着に着替えて戻ると、大倉がイスに座って待っていた。

いつもの、あのニコニコ笑顔で。



この光景、エイターが見たら発狂しそうやな(笑)



「「いただきます」」


2人で向かい合っての食事。



付き合い出したはいいものの、

俺のドラマが忙しいこともあって2人でこうしてゆっくり食事出来たことはまだまだ少ない。


というか最近、仕事以外で会って無かったな。


「美味い!」


1口食べて、素直にそう言うと嬉しそうに笑うから。


どこか微笑ましく思って笑ってしまったのは秘密。
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