book1
□ドライブ*橙黒
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本日最後の仕事であるメンバー全員での雑誌の取材、撮影を終えた僕は
帰ろうとしていた裕ちんを引き止めてご飯に誘った。
「裕ちん、夕飯行かへん?」
「おお、ええよ」
裕ちんもこの後予定は無かったようで応じてくれた。
「タクシー呼ぼか?」
裕ちんはそう言ってくれたけど、僕は断った。そう、何故なら…
「今日な、車で来てん」
「はっ?自分の?」
「うん、そう」
「じゃあ何で誘ってん、車で来たんならお前今日飲めへんやん」
「ええのー、お酒飲むよりも大事やねん」
「何が」
「裕ちんとのドライブ」
「…へ?」
「裕ちんとドライブしたかってん」
「……」
裕ちんは僕の答えに驚いて、目をパチパチしている。
可愛いなー、って思いながら、
裕ちんを引っ張るようにして
皆に挨拶をしながら楽屋を出た。