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□楽屋で*紫黒
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「おはよーさん」
そう言いながらテレビ局の楽屋に入る。
横目でチラッとソファを確認すると、いつも通りそこに座る猫背。
返事が無いところを見ると、ゲームでもやってるんやろうな。
ほんま、いい年したおっさんがゲームばっかりして。
そう思い溜め息をつくと、
「…おはよう」
こちらに背を向けたまま彼
ーー横山はそう言った。
挨拶への返し遅いやろ。
そう思ったけど、
特に言うことでもないと判断して扉の前から移動しようとした時、
ふいにヨコがこちらを向いた。
ゲームはソファにでも放ったのだろうか。
片手でガシガシと頭をかいてこちらを見上げる。
「なん、どうした?」