book1

□日常*黄黒
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「次の仕事は、メンバー全員での雑誌の取材です」


移動中の車の中、大好きなあの人へのメールを打っているとマネージャーがそう告げた。



「嘘やんっ!」


「いや、本当です。ちゃんとスケジュールくらい確認して下さい」


そう言って苦笑いするマネージャーを尻目に、俺はメールを打つのを再開した。


【きみくん、もうすぐ会えるね】


その時、錦戸がニヤニヤしていたのと

そのメールを受信した錦戸の大好きな人、もとい横山が苦笑いしたのは


言うまでもない。





バタン!!

「おはよーございますっ!!」


ドアをぶち壊す勢いで開けて入ってきた錦戸。


メンバーはもう慣れたので
おはよー、とそれぞれが挨拶を返すが、錦戸は聞いてない。


キョロキョロと辺りを見て、
大好きな恋人を見つけると…



「きみくうぅぅぅんっ」



ガバッ



「うわっ!」


ソファに腰掛ける彼の背中に抱きついた



「久しぶりやね、きみくん!」


「いや、一昨日会ったやろ…」


「もおー、会いたかったんやで」


「…聞いてへんし」


そんなやりとりも日常茶飯事なので、メンバーはスルー。


「きみくん、俺に会いたかった?」


「…別に」


そう言って、頬と耳を赤く染めながらそっぽを向く彼に、


心臓を撃ち抜かれた錦戸が




「き、きみくん…!かわええ…めっちゃかわええ…!!」


こう言って抱きついて離れなくなる。



最近の楽屋は、ずっとこんな光景です。



end

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