book1

□手料理*緑黒
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「横山君、ほんまに大丈夫?」


「大丈夫やって」


自信満々に頷く横山君。

はぁ、心配や…。















横山君から、家に行きたいと連絡があったのは夕方だった。


忙しさも落ち着いて、昼頃からまったりしていた俺はもちろんそれを受け入れて、

というか、

あまりない向こうからの申し出にテンションが上がりまくった。


横山君が来る前に、掃除をして、横山君の好きなアロマもたいて、ここだけの話ベットメーキングも入念におこなった。





1時間後、浮かれまくった俺の家にやってきた横山君。その手には、スーパーの袋。



「あれ、何か量多くない?」


いつもなら、何本かお酒を買って来てくれるだけなのに。
今日は…



「今日はな、料理するん」



…ん?



「俺が?」


「ううん、俺が」


「…横山君が?」


「そお」


「………ええぇぇっ⁈」


「せやからキッチン貸して。俺の家全然キッチン道具無いねん」


「ちょ、横山君!無理やって!」


「…何で?」


「何で、て!横山君、自分がどんだけ不器用か忘れたん⁈」


残念ながら、横山君の白くて美しいその手は料理には全くむいてない。

そんな危ないことさせられへん!



「俺かて出来るやろ」


「いやいや、何か食べたいものあるなら俺作るし!横山君ケガしたらどうするん?」


「だから大丈夫やって。大倉は待ってるだけでええし」


「え、俺の分も作ってくれるん?」


「おん」


「そ、それはめっちゃ嬉しいけど…」


「やったらええやん。な、大倉、お願い!」


両手を合わして、上目遣いでお願いしてくる横山君。







「え、ええよ…」


あかん!こんな可愛くお願いされたら断られへん!!


「ありがとう (こいつ楽勝やわ)」
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