サウスパーク

□告白。
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「おいカイル。一人暮らしなんて寂しくねえのかよ」

「平気に決まってるだろ、カートマン」

僕らは高校を卒業した後、進路は別々になった。僕は別の都市で大学へ。カートマンは故郷でサラリーマン。スタンは専門学校、ケニーは・・・どうだったかな。
小、中、高と同じだった僕らは、もうすでにお互いを空気として、自然にあるものだと思っていた。
進路調査書に書かれたそれぞれの進路には、先生も驚いていた。先生は、皆同じ大学へ進学するものだと思っていたらしい。
さすがにそんなぶっ飛んだ考え方には笑った。全員同じ進路なんて有り得ない、普通は。

「寂しいなら、オイラもついてってやろうか?」

珍しく真剣な顔でカートマンは僕の顔を窺った。

「馬鹿、お前が来たら部屋が狭くなるだろ」

これが最後の皮肉。
僕達はこれから別々のみちを行くのだ。
その時のカートマンの悲しそうな顔は今でも忘れられない。
あんな傷ついた顔初めて見た。
でも今更カートマンの人生を変えるわけにはいかないから。

じゃあな。

そう言って僕はカートマンとの別れを後にした。




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