HTF

□指切。
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窓にはあっと息を吹きかけると、曇っていた窓が更に白くなった。
窓越しに見える外の風景はあたり一面真っ白で塗りつぶされたようだ。

「トゥーシーっ!最近寒いねー」

先ほどまで外で遊んでいたカドルスが帰って来たようだ。
上着はもちろん真っ白で、肌は赤くなっていた。

「雪だるまもきっと寒いよね・・・」

ふと、窓から見える郵便受けに目を移すと、氷柱がたくさん出来ていた。

「カドルス、雪だるまは雪で出来てるんだから逆に暑いほうが可哀想でしょ?」

あ、そっかと納得して、カドルスは暖房の前へと立ちふさがった。
室内はまだ全然寒くて、ついさっき焚いたばかりの暖房の風は室内全体には行き届いていない。

「カドルス、寒いんだけど」

「じゃあ僕のこのパーカー貸すよ」

そう言ってカドルスはうさ耳の黄色いパーカーを渡してきた。
いつも着ているお気に入りのパーカー。
本人は後3着同じのがあるから、とか言ってるけど本当かどうかは知らない。

「いや、良いよ・・・カドルスも寒いでしょ」

家に入ってきたばかりの人の方が寒いに決まってる。

「全然寒くないよ。暖房の前だもん」

そもそも暖房の前から避けてくれれば、パーカーを貸さずに済むというのに。

「・・・っわ」

なんて考えているとそのうさ耳のパーカーを被せてきた。

「トゥーシー似合うよ!可愛い!鏡見てみてよ」

「あのねえ・・・可愛いっていうのは女の子にいう言葉だよ?」

カドルスは僕の言葉を無視し、鏡の前へと立たせた。
全然可愛くなんか無いし、いつもの自分じゃないか。
鏡見るのが馬鹿馬鹿しくなって戻ろうとした時。

「んっ」

右頬に微かに温かい感触があった。
鏡の向こうに見える自分の顔が真っ赤で恥ずかしくなった。
なんか、いつもの自分表情じゃない気がする。


















「トゥーシー、僕のお嫁さんになってよ」





















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