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□潔癖。
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彼女は潔癖症だった。





汚い物が大嫌いで、見れば吐き気がするほどだ。
・・・というか、今までで実際吐いたのを目撃した事がある
過去、自殺まで犯したことがある。
まあ、次の日には生き返るから良いんだけど。

「やだ・・・っハンディ来ないで!」

ある日、仕事帰りにペチュニアの家に行った俺は彼女に拒絶された。
彼女は口を両方の手で覆った。
前日にケンカをしたわけでもなく、嫌われる事に心当たりは無い。

「え・・・?俺、何か悪い事した?」

「・・・っ!」

彼女は大きく首をぶんぶんと、横に振ると、おそるおそる俺の体を指差した。
あー・・・、原因は作業着か。
確かに土や泥で汚かった。
仕事―工事の仕事だから当たり前なのだが。

「・・・ごめんな。今、シャワー浴びてくるから」

俺は、近くにある自分の家へと走った。
すぐさま作業着を脱ぎ、シャワーを浴びようとした。

「んーっ・・・あ、やっと出てきた」

お湯が出るまで必死に蛇口を回し、体中をくまなく洗った。
シャワー室から出る時、ぞくりとした何か嫌な予感がした。

「・・・ペチュニア・・・?」

何か彼女が嫌な目にでもあったのだろうか。
心配しながら私服に着替えた。
少し焦りを感じながら。

そして、彼女の家へとまた走った。



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