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□心酔。
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俺とアイツが会ったのはずっと前。
おそらく、保育所を卒業してからは一度も会っていなかったと思う。
随分の間会っていなかったので、一瞬見た時は初対面かと思った。
元々同じ保育所だった俺達は当時、凄く仲が良かった。
近所でも可愛いと言われ続けたマウスと、臆病で弱虫だった俺。
凸凹コンビとして親には有名だった。
偶然同じ隊に配属された俺達は、一言も喋らなかった。
アイツが俺を避けていた訳では無いと思うが、久しぶりすぎて気まずかった。

「・・・マウス」

勇気を出して声をかけると、マウスは振り返って微笑んでくれた。

「何ですか?」

あの頃と全く変わっていない。
紛れも無く俺の初恋はコイツだったのだ。
自分に向けられた可憐な笑顔を見て、そう思った。

「・・・俺、スネイキーっていうんだけどさ、覚えてるか?」

「・・・・・・知ってましたよ。気付くのが遅すぎです」

気付いていたのなら、声をかけてくれれば良かったのにと心の中で思う。

「何で声かけてくれなかったんだ?」

「そりゃあ・・・」

マウスは少しだけ考えて俺に答えを出した。

「スネイキーが、男前になりすぎて声をかけづらかったんです」

と、悪戯っぽい笑みを顔に浮かべて言った。
冗談だとは分かっているのだけれど嬉しかった。
マウスの顔を見るたびに鼓動が早くなっていって、思考停止してしまうんじゃないかという位ドキドキしていた。

「マウス、俺――――」

「・・・はい」

マウスはそんな俺の気なんか知らない顔でこちらをまじまじと見ている。





















「初恋の相手がお前なんだ」



















いきなりのカミングアウトでマウスはどう思ったのだろう。
下げていた顔を上げると、マウスも赤面していた。




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