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□御代。
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「うげー・・・今日は全然釣れねー・・・」
少量の水しか入っていないからっぽのバケツを片目で見ながら呟く。
いつもなら、少なくとも本日の分の食料はちゃんと確保できているはずだ。
多ければ、三日くらいは腐ってなければ食べれる、といった感じである。
「ランピーの方はどうなんだよ・・・?」
「んー・・・?」
一緒に釣りに来た奴のバケツの中を覗き込んだ。
「大漁じゃねーか!!」
一つのバケツでは足りなかったらしく、4つのバケツとクーラーボックスがそこにあった。
しかもその中身も中型の魚ばかりだった。
「・・・あーでもこんなに要らなくね?海にもう一回戻すかなあ」
さっきまで釣れなかったのは隣の奴のせいだったのか。
根こそぎ隣の奴が持っていったから釣れなかったのかと納得した。
「コツとかあんのか?」
これじゃあ差がありすぎる。謎になった俺はランピーの釣竿の先を見た。
「いや、特に何も無いけど」
付いてたのは餌用の小さな海老。まあ、普通っちゃあ普通だった。
というか、自分も同じ餌だった。
「ラッセルが欲しいっていうなら持ってっても良いけど」
「マジかよ!!・・・じゃあ貰う。サンキュー」
素直にお礼を言って受け取ろうとした。
が、ランピーは手を離さない。
「ただし、条件がある」
「え?」
ランピーは目を瞑ったまま、条件提示をした。