番外編内容
□夏といえば…
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そして共有スペースであるリビングには、みんなが集まった。
「さて!夏と言えば、やっぱり海でしょ!!!」
ナツミの勢いある声にみんなは小さくうなずいた。
「ナツミ、元気だねミナミ」
「そうだね。いきなり呼び出されたから何かと思えば…」
まひろがニコニコとしながら、ミナミに話しかける。
ずっと書物を読んでいるせいか、外にでられることが嬉しいようだった。
外にでないということではないが、誰かに連れ出して貰わなければ、まひろは外にでないで書物を読んでいるだけで気付くと疲れがたまっていることが多いのだ。
そんな嬉しそうなまひろをみてミナミも微笑む。
「ミナミは、海でいいの?」
隣にいたチハヤがミナミに尋ねるとミナミはチハヤに「うん」と言った。
「そう、ミナミがいいなら僕もいいよ」
チハヤがナツミに向かっていい決まったかと思ったら、バンと机を叩いた者がいた。
「ま、まって!!ナツミ、まさか水着じゃないとダメなんて言わないよな??」
シズカが顔を青くして言う。
その言葉にその場にいた男性陣が反応した。
はるは、のんびりとシズカに「シズカさんはスタイル良いから大丈夫だよ」とどこか的のはずれたことを言った。
「そういう問題じゃない、はる!
うち、水着なんて恥ずかしくて…」
「あっ、水着がないことの心配ならしなくていいよ〜!」
またまた的のはずれた返答がナツミから返ってきて、シズカは口をパクパクとする。
城のメイドがサッと数人並びその手には水着を持っていた。
「みんなの用意してあるから!」
言葉にならない叫びがシズカからでているようだった。
そしてキッとナツミをみて言う。
「サイズなんか、いつはかったんだよ!!」
「んー、それは着てる服とか寝てる間にはかるとか…スカルにきくとか?」
「なっ、なっ…」
顔を真っ赤にしてシズカは今度はスカルを睨みすえた。
スカルが慌てて手を前に出す。
「し、シズカ、俺は!」
「どんな理由があれ、スーカールー!!」
「許せ、シズカ!」
そんなシズカとスカルをおいておき、ナツミが話をすすめようとしたところでスイルがニコリとしながら、ナツミの手を取った。
「ナツミ、まさかナツミも水着着るの??」
「そうだよ!」
ピキっとどこかでなにか音がしたが、ナツミは話をすすめた。
そんなナツミをよそにスイルが拳をつくるとパキパキとならしていた。
「ナツミに近づく奴は全員…」と独り言をぶつぶつとつぶやく。
(大丈夫かな、ナツミ…)とキリクもかげながら心配しているが、つかえているものとしては口出しは出来ない。
なにかあったら、自分がどうにかすればいいという考えにおさまり、静かにその場を見守った。
男性陣が自分の想い人をそれぞれ心配していた、ただ1人をのぞいては…。
「海サイコーだよな〜!楽しみ!」
そういったのは、緑木だった。
相変わらずの緑木に、はるは微笑む。
「緑木、海好きなの?」
「うん!はるちゃんは?」
「私は、あまりいかないからなぁ…」
「じゃあ、今度楽しもうね!」
緑木は、そういうとはるに笑いかける。
素敵な夏になりそうな予感がはるの胸をよぎった。