短編・リクエストの小説置き場

□テツと一緒じゃなきゃ嫌だ!!
1ページ/1ページ



中学生活最後の大会を終え、黒子は引退を待たず退部した。


それからバスケのない生活を送っていたある日のこと、黒子は突然バスケ部顧問に会議室に来るように呼び出された。


「失礼します。」


「突然すまないね。初めまして、〇〇高校バスケ部監督の△▲だ。君が黒子テツヤくんだね?」


会議室に入ると顧問ではない人物が待っており、どうやら黒子をスカウトに来たようだった。


その高校の特色や去年の大会成績を説明されたが、まさか自分にスカウトが来るとはと頭が追い付かず「考えてみます」と言うのが精一杯だった。


その後も何校もの学校がスカウトに訪れた。


「初めまして、桐皇高校バスケ部監督の原澤です。」

「同じくキャプテンの今吉やよろしゅう。」


いつもと同じような説明を聞き、いつものように終わるという時に黒子は今まで気になっていたことを尋ねてみることにした。


今吉という年の近い人物がいたことで聞きやすかったのかもしれない。


「あの、なぜ僕をスカウトしに来たんですか?僕より優秀な選手が帝光にはたくさんいると思うのですが…」


二人は顔を見合わせると、しげしげと黒子の顔を見た。


「聞いていると思ったのですが…」


「なんや、お前ら仲いいんじゃないんか?それはな…」



――――――


黒子は体育館へと歩いていた。


会議室に来る前に青峰が今日は練習してる様子を見たからだ。


(そうですよ、僕にスカウトが来るはずないんです。調子に乗っていました。それでもあんまりです。)


黒子の頭の中でさっきの言葉が響いていた。


「それはな、青峰が『俺は、テツの行く学校に行く。あんたらの学校にテツが行くなら、俺も行くだけだ。』って言うてなぁ…黒子くん、聞いていいへんの?」

訳がわからない。
青峰がどういうつもりなのか。


黒子はどうしようもない苛立ちのまま、体育館に向かった。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ