短編・リクエストの小説置き場

□計画的犯行
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WCで誠凛が優勝した日の夜、赤司からメールが来た。


『黒子の家から近い公園にいるのだが、今から会えないか?』


黒子は急いでコートを着ると、赤司のいる公園に駆け出した。


「やあ、ごめん夜に…明日には京都に帰らなければ行けなくて…?黒子?」


「君!!どうしてそんなに薄着なんですか!!風邪を引いてしまいます!」


赤司は今気づいたようで自分の格好を見ると、忘れていたと苦笑した。



「とにかく、どこかの店に入りましょう。」


「いや、すぐ終わる要件だから良い。俺の話を聞いてくれないか?」


赤司は真剣な目で黒子を見てきたため、黒子は自然と姿勢を伸ばす。


だが、直ぐに視線をずらし口を何回もパクパクとし出した。


頬や耳も赤司の髪や目と同じように赤くなっている。

「赤司くん?」


いつもとは全く違う赤司の様子に呼びかけると、赤司は決意したように息を大きく吸って黒子の目を見た。

「…黒子」


「はい」


「好きだ。俺と付き合ってくれないか…!」


さらに顔を赤くさせ、必死に告白する姿に思わずキュンとして言ってしまった。

「はい…」と。


赤司が目を見開いた後に、満面の笑みを見せありがとうと言う姿にまたも心を撃ち抜かれた。


(あれ?僕なに言ってるんですか!?告白受けてしまいましたよ!?)


満面の笑みを浮かべながら、黒子の手を包む赤司に黒子は今さら『考えさせて下さい』なんて言えなかった。


そして、電話することや次いつ会えるかなどがとんとんと決まり、いつの間にかに帰路に着いていた。


(どうしましょう…赤司くんに対して不誠実です。)

そんな黒子の思いは直ぐに無駄に終わった。


電話やメールをするうちに赤司のことが好きになっていったのだ。


いや、少し違う。
赤司への想いに気づいたのだ。


(僕はもしかしたら中学の時から赤司くんのことが好きだったのかもしれません…)




そして、順調に交際は進み高3の2月の中旬、受験が終わった赤司と黒子は都内の飲食店で会っていた。


「話と言うのは、俺たちの暮らす新居の話なんだが…候補をあげたので見てほしい。」


「…えっ?」


黒子は驚いた。それは猛烈に驚いた。


なんせ二人の間で一緒に暮らすなどという話は今まで1度も出ていなかったのである。


「僕たち一緒に暮らすんですか?」


「えっ?暮らさないのか?」

赤司は黒子の驚きの表情を見た途端、暗い顔になり黒子に向けて見せていたタブレットをしまいだした。


「すまない。一緒に住むものだと思っていた。今の話は忘れてくれ。」


黒子はあわてて赤司のタブレットを持っている手を引き止めた。


「住みたいです!一緒に住みたいです!すみません…まさか、一緒に住めるとは思ってなくて…」


そう言うと、赤司はぱっと顔を輝かせ黒子の耳もとで囁いた。


「ありがとう。幸せにする」

結婚か…


幸せな二人に、そうつっこむ者はいなかった。





セキュリティの万全なアパートに決まり(高い家賃に半分でもキツいと反対していた黒子に家事を全部黒子がやることで出せる分だけでいいと言う話で落ち着いた。)大学生活にも慣れてきた頃、赤司の部屋を掃除していると一冊の雑誌を見つけた。


赤司の本棚は難しそうな本たちで満ちているため、一冊だけ異色なその本に興味を持った。


取り出してみると、何年か前に出版された黄瀬と契約しているメンズ向けの雑誌だった。


そこに一枚だけふせんが飛び出ているページがあった。


(好奇心には逆らえません…!赤司くん、失礼します!!)


勢いよく雑誌を開いて見ると、そこには[好きな子を落とす方法]とタイトルがかかれてある。


どうやらそのページは、好きな子を落とすためのアドバイスとそれに対する女の子からの感想が書かれているページであるようだ。


@いつもの自分とは全く違う一面を好きな子に見せよう!!


強い男の人の弱い一面とか見るとキュンキュンしちゃいます!!(〇〇才■■さん)

その■■さんの感想には、赤司がかいたと思われるラインマーカーが引いてあった。


Aたまには、強引にアタックしよう!


B1回引いてみるのもいいかも!!


その下には、赤司の字で『同棲の話を通す→一回なかったことにする。』と直接書き込まれていた。


(何か違うような…)


読み進むにつれて、黒子の顔は真っ赤に染まっていった。


(何しているんですか、君は…)


「テツヤ、ただいま。」


玄関からこの雑誌の持ち主の声が聞こえる。


(征十郎くんに何といって聞きましょうか…)


雑誌を持ったまま玄関に向かう。


とりあえずそれまでに、黒子は顔の赤みをどうにかしなくてはいけない。



終わり



――――――――
あとがき的な
拍手でのリクエストありがとうこざいました!
赤黒の同棲ということでかいたんですが…同棲シーンが少ないですね。
納得がいかないかもしれませんが、これが私の精一杯なんです!!
深夜のテンションで書いたため、おかしい点があるかもしれませんが、お許しくださいm(__)m

リクエストありがとうこざいました!
拍手や『ダベり隊』で感想を待っているので、書いていただけると幸いです!!
ありがとうこざいました!

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