短編・リクエストの小説置き場
□いつまでも…
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夢の中なのに大きな瞳は中学のときと変わらずに甘そうだ。
紫「ヤッホー夢の黒ちん」
黒「えっ!紫原くん!!」
黒ちんは勢いよく起き上がり、驚いて俺をみている。
(へー、会話までできちゃうんだ。)
紫「ねぇねぇ、夢の黒ちん、ここどこ?」
俺が質問すると、黒ちんはキョロキョロとまわりを見渡した。
黒「は?え…と、僕の夢ですよね?」
紫「なにいってんの?俺の夢だしー」
黒「僕も自分のベッドで寝ていたところを君におこされたんですけど…」
夢の黒ちんが言ってることが本当だと、黒ちんは本物の黒ちんということだ。
最悪、だけどすんごく嬉しい。
会いたくなかった、寂しくなるから…
会いたかった、あの笑顔を見たかったから…
急に喋らなくなった俺を心配そうな目で上目遣いに見つめてくる。
あぁ…この目だ。
見たくて、見たくなかった。
俺はたまらず、泣きそうで嬉しそうな顔で抱きついた。
相変わらず小さくて、俺の腕にちょうどいい。
黒ちんは俺の表情を見て何かを察したのか、なにも言わずに抱き締められていた。
黒「どうしたんですか?」
落ち着いたアルトの声…
優しくて、ふわふわした手
紫「どうして、俺に会いに来てくれなかったの?」
嘘だ。俺が探さなかっただけで、黒ちんはちっとも悪くない。
でも、…でも、少しだけ期待してた。俺はバスケでしか黒ちんとケンカしてないから、学校では会いに来てくれるって…
黒「…」
紫「ねぇねぇ、黒ちんここって雲の上だよね?」
変わった話題に黒ちんは強ばらせていた体がゆるんだきがする。
黒「そうですね。足元ももふもふしていて、柔らかいですし、しかし甘い匂いがしますよ?」