短編・リクエストの小説置き場

誠凛一家の1日
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火神(以下火)「はぁぁー」

火神は大きくため息をついた。バ火神と呼ばれているからといって、なんの意味もなくため息をついたわけではない。
今はホームルームも終わり、皆支度を済ませ部活へ行く時間だ。火神は部活へ行くのが嫌でため息をついたわけではない。確かにいつも監督に鬼のようなメニューをさせられるが、バスケを状態させるためと思えばそれも楽しく感じる。
話がずれてしまったが、火神が大きなため息をついた理由、それは部活がないからだ。
今日はバレーボール部が体育館を使うことになっており、火神達バスケ部は外練習のはずだった。しかし、あいにくの雨で外練習が出来なくなってしまったのである。鬼のような監督であれば、雨の中走らせると思うだろう。確かにこれが普通の日であれば走らされただろう。
しかし、今日は11月の半ば、ウィンターカップまであと1ヶ月もない真冬だ。この状況で走ったら確実に風邪をひくだろう。そのためバスケの練習はないのだ。


黒子(以下黒)「そんなに大きなため息をつかないで下さいよ。部活がなくなったのは残念ですけど、そんなに大きなため息を聞いたらもっと暗くなるじゃありませんか」


そう、火神と同じ部活であり相棒の黒子が後ろの席から言ったが、火神は返事もせず机の上でうなだれていた。
そんな暗い雰囲気の中、教室のドアが勢いよくあき、猫口の男が元気よく入ってきた。


小金井(以下金)「火神〜!黒子〜!監督が今日部活あるから視聴覚室に来い!!だってさ〜」


入ってきた猫口の男は器用貧乏で知られているバスケ部の先輩小金井先輩だった。後ろに誰も声を聞いたことがない同じくバスケ部の先輩である水戸部先輩もいる。
それを聞き、さっきのテンションが嘘だったかのように目を輝かせ火神が机からカバッと起き上がり大きな声で言った。


火「本当すか!」


火神はバスケの試合を見れることに大変喜び笑顔で言った。

その後で黒子も表情には出ていないものの、とても嬉しそうだ。


金「早く来いよ〜」


それだけ言うと小金井と水戸部は先に視聴覚室に行ってしまった。


火「早く行こーぜ!黒子!」


黒「はい。行きましょう。」


あとを追い火神と黒子も荷物を抱え、駆け出した。
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