本棚 長編

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※灰崎視点



灰「なっ!!なっ!!なっ!!」

俺はテツヤの頭を見て、言葉とはならないものをあげちまった。
すると、テツヤは自分の頭を指差しながら首をかしげて可愛らしく言ってきた。

黒「(はぁ…やっと気づきましたか。僕が来た時にきづいて欲しかったですね…)
どうですか?僕的に男らしくなったと思うんですけど」

俺は本当に信じられなかった。
否、信じたくなかった。
あのテツヤが俺と同じ髪型にしてきたのだ。
いつも自分で見慣れすぎている髪型で気づかなかった。


灰「な!!」


黒「全然気づいてくれなくて、寂しかったですよ。そんなに似合いませんか?」

そう、上目遣いでこちらを伺うように聞いてくる、テツヤに俺は、頬がそまったのを見られないように、そっぽを向いて言った。


灰「…に、似合ってるぜ」

黒「へ?なんて言いましたか?」


灰「だから、似合ってる!!」


俺がそう頬を染めながら、やけくそに大声で言うとテツヤは黒い笑みを浮かべて言った。


黒「ボッチな君に頼まれてこの学校に来て、その校則のおかげでこの髪型にしたのに、君に似合ってないと言われたら、僕…君を殴ってました。」


こえーよ!!つうか、似合ってるって言って良かった〜そう思い、俺がホッとため息をつくと、黒子は鼻で笑ってきた。


黒「それでも、この髪型似合わないと自分でも思います。この学校の校則、ふざけていますね。君のセンスもどうかしてます」


ウッゼ〜!しかも見下したかんじで言ってきやがって!!
………んっ?そういえば、校則って?
………あっー!
忘れてたー

そうだよ、テツヤをからかって嘘をついて、バラすの忘れてたー!!!!!!
ヤベッとにかく隠そう!!


灰「ハッハッハ、ほ、本当ですよね!!僕もこの学校の校則見たとき、驚きましたもん!」


黒「灰崎君…」


ヤッベー挙動不審になっちまった!!
つうか誰だよこれ!!
俺は汗をだらだらとかきながらテツヤに嘘っぽい(本人は気づいていない)爽やかな笑みを浮かべた。
すると、テツヤが普段は働かない表情筋をふる活用させ、笑顔をつくってきた。

黒「灰崎君…僕の…僕の灰崎君のキャラ設定、気に入ってくれたんですね!!」


灰「う、うん。まあな!」




―灰崎は明日学校に行けばどうせ嘘もばれると気づかず、嘘をつき続けるのだった。


黒「そっちの性格の方が、(従順そうで)好きですよ!」


灰「(カァァァ///)」

黒子の本当の怖さにも気づかずに……

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