本棚 長編

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それからというもの黒子は本当に見事なほどにグレていった。
黒子は毎日といっていいほど路地裏にいき、ケンカを買っていった。
幸運というべきか、バスケはケンカに役に立つことがたくさんあった。
イグナイトパスはもちろん、拳をよける反射神経、相手に築かれないように後ろに回る方法、などバスケ部のときのものが役に立った。
ケンカをしている間は嫌なことを全て忘れられていたので、余計にケンカにあけくれた。
しかし、その間カントクや一年生の三人や三人の先輩が黒子の家に来ていた。しかしそれに、黒子は全て無視してきた。
そして、親もだんだん夜に出かける黒子を心配するようになっていった。
黒子はその全てが邪魔で重たくてしょうがなかった。
そして退部してから一週間たったとき、影の薄さを使った方法やイグナイトパスなどでケンカを勝利していき、黒子は『幻のヒーローブラック』と呼ばれるようになっていた。







そして、バスケが恋しくなってきた頃、家に来るメンバーが増えていた。木吉先輩、日向先輩、伊月先輩。だが、火神だけが来ていなかった。
それでも、黒子の心はかわらずいつものようにケンカをしているとき黒子はある人物に出会った。
「てめぇが幻のヒーローブラックか?」
柄の悪い、桃井とは正反対のバカっぽいピンクの頭の奴等が来た。
ざっと6、7人くらいだ。黒子は黒い笑みを浮かべ殴りかかった。
黒子は体力がない。
だからケンカも一発勝負にしている。
一人ずつ、確実にみぞおちやらの急所に当てていく。結果、5分くらいで終わった。
その時、建物の影から青年が表れた。


「ようよう、お前真面目なテツヤ君じゃねーかよ。こんなところで何してんだよ」


黒子はケンカのときにしかださない表情筋を精一杯動かして、怪訝な顔をした。


「えーっと、君誰ですか!?」


相手は予想されなかった返答に驚いた。


「いや、俺ですけど、俺」


「すいません、俺俺詐欺している知り合いはいません。」


そう言うと相手は黒子の肩をつかんで、叫びに近い声をだした。


「顔みればわかるだろ!?顔!!」


黒子はため息をついきながら


「何言ってるんですか?読者には顔が見えないんですよ?」


と言うと、相手はいやいやいやと顔の前で手を振りながらさらに大声をあげた。

「お前が俺の名前を言えばいいんだよ!?」


相手は急に一人芝居を始めた。黒子はどこか引いたような目で見ていた。


「例えばな、お前が『あっ!「ピーーーー」君どうしてここに?』っておい!テツヤ邪魔すんな!俺の名前が放送禁止用語みたいだろーが!!」


それに対し黒子は動揺もせず、青年に対して逆に説教をするのだった…

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