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□What do you mean?(1)
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私は男が嫌いである。


基本的に何考えているかわからないし、煩いし、下品な話で盛り上がる。


しかも人より少し劣っている所がある女の子には冷たい。


剰えそのコンプレックスを馬鹿にして笑いを取ろうとする。



もう一度言おう。私は男が大嫌いだ。


なのに何故今こんなことになっているのだろうか。



「なあ、ポリ。俺と付き合わないか?」


「はあ?」



たった今私に告白した奴は学年のみならず学校でもトップクラスの人気を誇る黒尾鉄朗だ。


独特なヘアスタイルと憎たらしい程の高身長に加えて胡散臭い表情を携えた彼が何故人気なのか私にはわからないが、兎も角女子に騒がれている。


そんな奴が美人でも可愛くもない私を好きな筈がない。


どうせ罰ゲームだろう。



「ふざけてるの?私がそんな見え透いた嘘に引っかかるとでも思った?」


そう吐き捨てると目の前のコイツは普段眠たげな目をぱっちりと見開いた。



「いや、本気だけど?」


「笑えない冗談。罰ゲームか何なのか知らないけどそんなくだらないことで私の時間を奪わないで。」


冷たくそう言い放てば流石に白状するだろう、そう踏んでの発言だった。


しかし黒尾はなお私を好きだと言い張った。


「で、返事はどうなんだ?」


鋭い瞳が私を射抜く。


だけどそんなのに怯む私じゃない。


「は?話聞いてました?却下。誰が好き好んで男なんかと付き合うか。あんたみたいな奴なら私じゃなくても選り取り見取りでしょう?」


丁重にお断りをしてその場を後にしようとした。


しかし黒尾に腕を掴まれたためにそれは出来なかった。


男に触れられたせいで身体中に蕁麻疹が浮かび上がる。



「離して。」


痒いのを堪えて睨み付けると、黒尾は不敵な笑顔を浮かべた。



「ああ。だが、アンタは俺を好きになる。」


奴はそう言い終えるとグイッと私の腕を引いた。


「ちょっ……!」


むにっと唇に何かが触れる。


暫く経ってようやくそれが奴の唇だと認識された。



「☆#$*%○→●□!!!???」


その出来事を処理できずにショートする頭じゃ言葉は出なくて。


それでもアイツは悪びれた様子など微塵も見せなかった。



「んじゃ、俺行くから。ごちそーさん。」



チロリと自分の唇を一舐めをしてからそう手をヒラヒラとさせて背中を向る黒尾。


ナイフがあったら絶対刺してる。


私は蕁麻疹でボツボツになった身体を掻き毟りながら教室へ戻った。
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