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□18歳の君と
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高3設定で話が進みます。
本日、4月14日は学校でも大人気の色男、白石蔵ノ介誕生日だ。
当然女の子達が黙ってる筈もなく、もうこれ学校行事じゃね?ってレベルで盛り上がってる。
私はそれを遠巻きに見るだけ。
だって面倒くさいし。
18年間一緒にいりゃあ、奴の誕生日程度じゃ騒がなくなるよ。
「ん?藤堂、プレゼント渡さへんの?」
私がスマホを弄ってると、忍足がこちらに寄って来た。
いつもはキャー、なんて歓声が上がってもおかしくないのだが、なんせ白石生誕祭。
皆がみんな、白石に注目してた。
「あんな、こんな状況で渡したらただでさえ冷たい風当たりが絶対零度になるだけねん。第一プレゼントなんて今更やろ?買うとらんわ。」
私がそう言うと、忍足は「何や、倦怠期迎えた夫婦みたいやな。」とか言ってきたから殴っといた。
「口には気ィつけや。しばいたろか?」
「すんませんした!!!」
教室に忍足の謝罪が木霊する。
お前…空気読めよ!
廊下に溜まっていた白石とそれを取り巻く女子が一斉にコッチを見てきた。
ぎゃぁぁああ、目が、目がぁぁぁああ。
無数の目が私を見てるぅうう
私はコミュ障レベルがカンストしてるような人間なんだよ。
そんなに見られたら失神する。
私は浪速のスピードスターに負けないくらいの勢いで教室を飛び出した。
一瞬だけ見えた白石の顔が悲しそうだったのはきっと気のせい山の精。
「おげぇ、づがれだぁ…」
全力疾走を始めて3分。
早くも体力に限界が来てしまった。
「何や、お前体力足らんとちゃう?もっと鍛えなあかんっちゅう話や。」
ゼェハァと息を整えていると、涼しい顔をした忍足がやってきた。
何 で お 前 が 居 る
「余計なお世話や!ちゅーかお前はアホか!何なん⁉︎死ぬんか⁉︎あんなトコで大声で謝罪するなんて大アホや!」
「あー・・・・それはすまん。白石の誕プレ買うの付き合うてやるさかい、許せ。」
「は?いらんわ。」
「そんなこと言うなや!頼む、後生や。一緒に来ぃ!」
マジなんなのコイツ。別に買わないってさっき言ったじゃん。
聞いてなかったのか?
忍足は、不快感丸出しの私を気にも留めず「ほな、行こか。」と言って私の手を引いてった。