文豪とアルけミスと

□二人だけの秘密の時間
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「よりによってなんで三好なんだ?」「あれ、先生三好君と仲悪かったですっけ?ええ子ですよ?わしと同郷やし?」「仲が良すぎる気がするんだがなぁ・・・」「そうやろか?普通やない?そら儂が三好君の反応おもろくてやり過ぎてまう事はあるねんけど・・・」「それ以外でも一緒に居ること多いだろ」「ほうでっか?」「無自覚か・・・分かってはいたが、な・・・」

織田が首を傾げると菊池は溜息をついてから「自分の妻が他の男に懐いてて嫉妬しない奴なんかいるとおもうか?」といってのけた

織田はキョトンとした表情をしたまま固まってたがしばらくするとじわじわと顔が赤くなってきた

「つ、妻て・・・儂も先生も男やし、誰がやねん」「誰って勿論、サクが。」「ちょっ、なっ、ひ、今なんで急に名前なん呼ぶん卑怯やわっ・・・うぅ、本に酷いお人やね・・・」「俺が居ながら他の男の所にフラフラ会いに行って、あげくこんなところまで来てその奴の本なんか読みやがって・・・どっちが酷いんだ?」「・・・もしかして、一番に会いに行かなかったん、気にしはりました?」「・・・悪いか?」
「というかそんなんやったら話しかけてくれればよかったやないですか。そしたら本だって読んどらんかったかも知れんのに」「サクから話しかけてくれるかと楽しみに待ってたんだがなぁ?」「え、そ、それは・・・ッえろうすんません」「冗談だ。」「じょ、冗談なん?」「サクがフラフラと坂口と太宰の所に行ったりしてたのは冗談じゃなくたまたまだが見かけたな。」「そこはばっちり見とったんですか(汗)」「まぁな、それで期待して自室で待ってみたんだが。」「・・・す、すんませんでした、儂はてっきり予定が何かあったら悪いとおもて・・・」「用事があったとしても気にしなくていいんだがなぁ」「そ、それは流石に堪忍して下さい、そこまで図太くないですわ・・・」

恋人兼生前の恩人の先生にそう言われてしまった織田はすっかり自分が悪い気がしてきてしまい、改めて頭を下げた

すっかりと態度を改めてしおらしくなってしまった織田にくすくすと忍び笑いをしつつ菊池は織田の膝にのっている三好の本をさりげなくどかし、織田の頭を撫でた

「悪いと思っているなら、何でも言うこと聞いてくれるよな?」
「へ?」

キョトンとした表情の織田とにんまりと笑みが抑えきれない菊池が互いの表情をしばし見つめ合った

織田がしばらくして顔を逸らすと菊池はふわふわしている織田の髪を撫でて、そのまま少しだけ強引に頭を自分の膝に乗せる様にひきよせた
織田が慌てて猫の鳴き声の様な声を出したがそれもスルーして、髪を撫で続けたのだった
しばらくは居心地悪そうにじとりっと半目で菊池を見ていたが次第に諦めたのか大人しく菊池の好きにさせてあげることにした織田なのだった



End
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