文豪とアルけミスと

□『猫』
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「武者・・・どうした?こんな所でうろうろして」
「直也こそ。僕は織田君捜しててね。なんか、多喜二が探してるらしいんで付き合いで探してあげてるの。なんか、助手の引き継ぎの上でしときたい話があるんだって」
「(・・・多喜二と武者なら言っても良いか)そういうことか。じゃ多喜二連れてきてくれれば場所教えてやるよ。織田がいる所しってるから」

武者小路だけが聞いてると思って油断していた志賀がこの発言を後悔するまで後数分後のことである

「「しがあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!てええええええええんんんんめえええええええええええええ」」
「うわああああああああああああああああああああ?!?!」

二人して自分の武器を振り回しながらも織田を追っていた時よりもかなり怖い顔で志賀を今にも殺さんと物凄い気迫で追いかけていた

「こええええ、なんだよ、あれ」と近くにあった部屋に入って隠れながら息も絶え絶えに志賀が言うと「なんの騒ぎだい?」と言う声が聞こえた

よくよくみると入った所は室井の部屋で。当然室
井の部屋には室井がいる訳で。室井の親友である朔太郎もいるのだが、志賀はそれどころでは無かったためノックもせずに適当に開いてる部屋に確認もせず、部屋に飛び込んだのだ

「あ、ここ室井先生の部屋だったか・・・。」といってから事情を話すと「「納得」」と二人で頷き、室井が「じゃ俺が何とかしてあげるよ」といって出て行ってから数分後

多喜二と武者の二人を連れ戻ってきた室井がいた。

「無頼派の二人にも注意しておいたからもう追いかけられることは無いと思うよ?さ織田君に会いに行こうか」

凄くいい笑顔でそういう室井に否定の言葉は浮かばないので志賀の部屋にいくと本に夢中になってる猫耳付きの織田がのんびりしていた

「おい、織田」と志賀が呼びかけるとはっと気付き顔を上げる織田。
ぴんっとしっぽと耳までたてている姿に室井と朔太郎が「「猫みたいで可愛いな」」と同時に言いつつ二人して思い思いの所を撫でると(萩原は頭をなでで、室井はあごの下辺りを撫でた)「わっ
ちょっなんですか?!あ、あかん、そんなとここしょばゆいです、やめてくださいいいいい><ちょっ、志賀先生もたきっちゃんもみとらんと助けてやあ!」と嫌そうに見えない位の態度でいやいやとささやかな抵抗をしていた

「・・・楽しそうだな、織田・・・」と多喜二が言うと「どこがやねん、あっちょっむ、室井せんせ堪忍!堪忍してしとくれやすう!あきまへんって!」と織田本人は必死に、室井達の手を何とかして止めて貰おうとして頭を振る

その些細な抵抗がまた可愛くて室井達にしっかり5分もの時間存分に撫でられてしまったのだった

多喜二が「織田、助手の引き継ぎのことで話があったんだ。」と本来の用事を思い出して漸く先生達の織田の猫かわいがりが止まったのだった

「も、もっとはよう止めんかい・・・ぜーぜー・・・」とグッタリしている織田に一寸だけ反省した室井は「ゴメンゴメン、猫だと思うとつい手が出ちゃうんだ。」と言って謝った

「あんまりでっせ・・・先生・・・これじゃなんのために安吾や太宰君に見つからんようにわし気を付けてたんかわからへんですやん」と織田がやや拗ねた様に口をとがらせてみせた。

尻尾もぴたんぴたんと大きく不満げに椅子の背もたれを叩いた

機嫌を損ねた室井達は必死に謝ってみせると「っふふ、ええですよ。許してあげます、わしそこまで怒っとりませんから」といって許してくれた 

そして結局織田の猫耳事件は事件解決するまでの一週間もの期間、毎日志賀の部屋に匿われる事で事なきを得たのだった

その姿は志賀に匿われているというのにまるで志賀に飼われているかのようだった



End

後書き

志賀さんの部屋に毎日犀星先生と朔太郎先生が通ってオダサクをなでなでしまくったり構い倒してあげれば良いよ、そしてその様子を見て益々志賀が怪しいと安吾達二人の無頼派お兄さん達が志賀を尾行したりして織田の居場所もバレるといい。

End
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