文豪とアルけミスと

□『猫』
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朝起きるとなんと猫耳がはえてました

「いだだだっ!なんやこれ、とれへん」と織田が尻尾をひっつかんで引っ張ってみたが取れるどころか髪を引っ張られているみたいに痛んだ

「・・・アカン、どないしよう・・・とりあえずおっしょはんに事情話してなんとかしてもらお」とその場にあったシーツを頭から被り姿を何とか隠し、そろりと扉を開けてこそこそと自室を出た

が  そういう時に限って確実に見つかってしまいたくない人物に見つかってしまうものである

「アレ?オダサクどうしたんだ?そんな格好で」と太宰がいうと隣に居た安吾が「うん?どうした?お前まさか風邪ひいてこっそり医務室とかいこうとしたんじゃないだろうな!」とあわてて織田のおでこを触って熱を測ろうとして慌ててた為に被っていたシーツが取れてしまった

三人は数分固まって、そして

「「おださくうううううううううう!!!!!!!」」
「ぎにゃああああああああああああああああ!!!!」

安吾と太宰が必死に追いかけてくるので織田は同じくらい必死に逃げ出した

二人して目が血走っていて捕まったら何されるか恐ろしかったからだ

脱兎のごとく走ってシーツをかろうじて肩に引っかけて逃げ回っていたがやがてドンッとぶつかって止まってしまった
「おっと」「わぶっ」

「す、すんまへん、今おわれてt・・・ってなんや志賀大先生やん・・・」
「なんだとはなんだよ。ぶつかってきたのはそっちの方だろ。で、なんの騒ぎなんだ?それとなんでそんな格好してるんだ?」


「それが・・・」

と織田が今朝起きてからの一連の流れを説明した

「あぁ・・・それでこの騒ぎか。・・・大変だな、お前も」と苦笑いして同情した

「とりあえずおっしょはんに原因聞こうかと思ってますねん。おっしょはんどこに居るかしっとりますやろか」と織田がシーツを被り直して太宰達を警戒しながら聞いた

周りを気にする織田に「・・・取り敢えず俺の部屋にくるか?あいつ等なら俺の部屋にお前が来るなんて思わないだろうし、自分から進んでくる訳無いだろうから安全だと思うぞ?あと司書も俺が捜して連れてきてやるよ」といった

前からわりと同じ会派になってて前世のしがらみとはなんだったのかと言うほど仲が良い志賀と織田は「部屋に行き来」しても可笑しくは無いほどであった

「そやそやそうしましょ!部屋に上がらして下さいな、せーんせ♫」と織田がいうと志賀も「言いだしたの俺だしな、いいぞ」といって自分の部屋に招き入れた

「じゃ司書さん呼んでくるからまっててくれよ」と志賀が言うと織田も「ええ子にしとりますんではよぅ呼んできて下さい」といいつつ椅子に座った

志賀は何食わぬ顔で必死に捜してる太宰達の横を通って司書のいる司書室にいき事情を話すと司書は『なるほど事情は分かりました。多分昨日作ってあげた栄養剤の影響かと思います。心当たりとしては図書館の猫が調合中に通りかがって長話していたのでその毛でも混じっていたのでしょう』と
いってから『効果が切れるまで志賀直哉さんの部屋で飼っていてあげて下さい。直す方法が無いか館長達に聞いたりして捜しておきます』といった

織田になんて言うかと自室に向かいながら考えつつ志賀が歩いてると向かいの廊下から武者小路がやってきた
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