MOTHER短編集
□もしも、の話
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(きっとネスは恋をしてるのよ、)
(こ…恋?俺がジェフに?)
(そうよ、そういうのをBLって言うのよ)
(BL…?ベーコンレタスバーガー…)
(はぁ……違うわよ……ボーイズラブの略よ。)
(なに?それ。)
(男の子が男の子を好きになること。)
(え?!)
(ちょっと、顔真っ赤…まあいいわ。…自分でも気づいていたんじゃないかしら?ジェフが好きだってこと)
(…それは)
(まあいいわ、とりあえず今日、ネスがジェフを送りなさい。)
(えええええ!!?ひひひっ一人で!?)
(そうよ、私はプーに送ってもらうわ)
(で…でも俺……勇気が)
(男の子でしょ!!もう!)
(うぅ…)
(とにかく、送った時にちゃーんと何か話すのよ?また遊ぶとか、)
(……うぅ…はい…)
…
「じゃあ、私はプーに送ってもらうわ」
ついに来てしまった、この時が。
……やばい。手が震えて力が入らない…
「え?ネスじゃないのかい?」
「ごめんね、ジェフ。私ちょっとプーに用事ができちゃって」
「俺にか…?」
とプーは少し戸惑っている様子
というより、ポーラ演技力すごいな…よし、俺もがんばるぞ…
「じゃねー!バイバーイ、…ほら、プー早く!!」
「はぁ…それでは……また会おう」
「うん、じゃあね、」
「お元気で。」
と挨拶すると、プーたちはテレポートして行った
よし…頑張れ、俺
「…さて、ネス。僕らも帰ろう。」
と振り返るジェフは、夕日に照らされていて、真っ白い肌がほんのすこし赤く染まって、きれいな金髪はキラキラと輝いていた。
「うん…でも…さ、もう少しここに居てもいいかな…?」
「いいけど…っていうか、君が居ないと帰れないんだけどね」
と言ってジェフは砂浜に座る。俺も隣に座った
いままではこんな距離当たり前だったというのに俺の心臓は聞こえるんじゃないか、っていう程ドキドキと高鳴っていた。
ううーどうか…聞こえてませんように……
と祈る、ポーラじゃないけど。
「どうしたんだい?ネス?」
「へ!?わぁっ!!」
いきなりジェフが顔を覗きこむので大きな声が出てしまった。
「痛っ…耳元で大声出さないでくれよ。」
「ごめん!!」
と謝る
ささ…さて、ここからが本番だ…
(まず、なんでもいいから話かけてみて、)
すうっと息を吸い込む。よし、大丈夫
「ねぇ、ジェフ…」
「何だい?」
「その…」
話のネタがない…!!!!どうしよう…あぁ……
「BLって知ってる?」
うわあああああ俺の馬鹿馬鹿!!何でそんなこと聞いたんだよ畜生!
「ベーコンレタスバーガー?」
なんかデシャヴだな…
「違うよ…ははっ、ボーイズラブの略のことただよ。」
「へーえ」
あああ…俺一回pkフリーズΩくらった方がいいかも…
「同性愛のことか、」
一瞬ちらっとトから始まって二で終わる伸ばし棒のつく名前の子が出てきたよ…
「それでさ、もしも、の話だけどさ…」
(もし自分がジェフのこと好きだったらどうする?って聞くの、いい?)
「うん。」
「もしも、俺がジェフの事を…友達としてじゃなく、好きだとしたら…どう思う?」
と俺が言う、…顔が熱い。
「そうだな…僕は人を好きになるなんて一度もなかったから、誰であろうと人を好きになるなんてすごいと僕は思うけどな…っていうか今日のネス何か変だぜ?トニーみたいだな」
ああ、やっぱり俺はこの人が好きだ。
そうやって人とは違う視点から物事を見れるくらいに冷静で、賢くて、素直で…
「…ジェフ、帰ろっか。」
「あ、うん。」
俺はジェフがちゃんと後ろに居ることを確認してウィンターズへテレポートした。
「じゃあ、僕行くね、」
とジェフがこちらを向いて言う
「うん」
「またね、」
「うん」
ジェフがくるり、と向きを変えてスノーウッドへと向かう
(自分でも気づいていたんじゃないかしら?ジェフが好きだってこと)
そんなの…分かってたけど…
「待ってジェフ!!」
「え?」
俺はジェフの手をぐいっと引っ張りこちらを向かせた
そして、自分の唇をジェフの唇に重ねた。
「!!?!??」
目をぱちくりとさせて驚いた様子のジェフ。少しすると顔を少し赤くした
「き……君っ!!僕のことからかってるつもりかい!!?」
「違うよ、俺は本気…だから」
と耳元で囁き、にこっと笑ってバイバイと手を振って逃げるようにテレポートした
反省はしている、後悔はしていない。