MOTHER短編集

□今さら
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「ふぅーやっとできたぁー!」
そう言ってずれた眼鏡を直しながら言う
「ん、お疲れ様」
コイツはロイド、俺の旅での初めての友達
…そして、俺にとって一番大事な人。
最初、俺と会った時はゴミ箱でガタガタ震えてるただの弱虫だった。
なんだ、コイツ戦えんのか?ってそう思った
でも、今は…
今は、いつの間にか頼れる大事な仲間になっていた
真っ直ぐ、ものを見つめられる…優しくて芯が強いやつになっていた。
一緒にいるうち、ロイドに救われた場面も多々あった。
そして…不思議と、ロイドに目が行ってしまうのだ。
「それで、何作ってるんだ?」
「えへへーひみつだよー!あ!!電車来た!」
と、少し幼さが残る(実際年下だが)口調で話す彼はとても、うきうきとしていた。
ロイドメガメの下の大きな目をぱっちりと開けて、電車をみる
…今日、地球を救った俺達は帰り、普通の生活をし、普通の少年として生きるのだ…
非現実的な俺達の旅は、もう終わるのだ
……少しは寂しがれよ
正直、俺はロイドとまだ離れたくない。
まだもう少し、アイツと話をしていたい、もう少し見ていたい、そう思っていた。
…でもそう思っているのは俺だけなのか
「おーい、ニンテン…?電車行っちゃうわよ?」
「あ、アナごめん」
考えているうちに電車が来てしまったのだ。
俺達が一緒にいれる時間がもうすぐ終わるのだ。
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