MOTHER短編集

□もしも、の話
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「…ポーラ…」
「何?」
「俺、なんだかおかしいんだ。」
「いや、元々でしょ。」

青い海に白い砂浜、青い空に白い雲。
今日は日曜日。
地球を救って早3ヵ月、俺達は久し振りに集まってサマーズで海水浴をしに来ていた。
ジェフとプーはホテルのクロークに荷物を預けに行ってくれている。
「それで?何か相談…って何ぼーっとしてるのよ!!」
とポーラが俺の目の前で手を振る
「…わっごめん、…いや、その…さ、ははっ」
とごまかす、
「はよ言いなさいよ!!」
「痛っ!!」
バシッと思いっきり背中を叩かれる。うぅ…相変わらず野蛮だ。
「はあ…それじゃあ話すよ」
「うん、」
「………話すよ?」
「うん、」
「……本当に……?」
「分かったから早くしなさい!!」
俺は、「はぁ…」とため息をついた。
「…絶対笑わない……?」
「笑わないってば。」
俺はその言葉を信じて続けた。

「…俺さ、なんか変なんだよ。前からかもしれないけどさ。なんだか、最近ずっとぼけーっとしてるんだ。別に何考えてるって訳でもなくてさ、あ、でも……」
「でも、何よ?」
じっとポーラが真剣な眼で見てくる
「…でも、気づいたらさ…」
「うん」
「ジェフのこと、考えてるんだ……変だよね…?男が男のこと考えるなんて、どうしちゃったんだろ、」
ジェフがいま何してるか、とか、こういうときジェフならどうするだろ、とか。
「今だって、ホテルちゃんと着いたかな?とか思ってるんだよ」
ジェフの事を考えるとドキドキする。なぜか。胸が高鳴って、顔が自分でも分かるくらいに熱くなる。
「ふぅん、」とポーラ、
「え!?軽っ!!笑わないんだ!!」
「え、笑わないって言ったじゃない。それとも笑って欲しかった?」
とポーラが悪戯にそう言う
と、ちょうど俺達を呼ぶ声がした
ジェフだ…!
するとポーラは何か思いついた、というように手を叩く
「ネス、いい??これから言うこと。ちゃんと聞いおくのよ?」
「え?な…何?」
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