□第2章
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「これが、こうだから、ここがああなるんだ。」
イトロの大きな声が教室に響く。
「今日は、授業が早く終わったから席替えをするぞ!」
「やったー!♪」
新しいクラスになって2ヶ月。
新しいクラスになったので、どこの教室にいっても出席番号順で座る。
最近は、この席に飽きてきたのだ。
「ただし、席は俺が決めるからな!」
「「えー」」
イトロの俺が決めるから発言にクラスのほとんどがそろって不満をいだいた。
だが、これ以上文句を言うと面倒なことになるのでみんな異論をとなえなかった。
「じゃあ、視力とかの問題で前になりたいやつはいるかー!?」
「はーい!うち前がいい〜」
紗輝は、メガネをしてはいないが教室の後から黒板を見ると字が見えないのだ。
「わかった、渡辺は、前な!」
「ほかは?」
ぞくぞくとメガネっ子達が手をあげていく。
「わかった。席を決めるまでお前たちは自習をしてろ」
「「はーい」」
まぁこうわいっても自習なんてしないのがいつもだ。
先生から見えないように教科書で隠しながら落書きをする。
紗輝のいつものパターンだ。
ちゃんと、先生が近くに来たときのためにもうひとつ紙を用意してあたかも、真面目に自習をやっている雰囲気をかもしだすのだ。
〜〜〜5分後〜〜〜
「よし!決まったぞ」
イトロの汚い字で黒板に次々とクラスメートの名前が書かれていく。
(うわっ、マジか)
紗輝の席は、前から2列目の席だった。
隣は石田 健吾(いしだ けんご)。
石田は、ソフトテニス部で同じ部活だが1年生のときもクラスが違いいまだに一言も喋っていない。
和也や、大城と、よく遊んでいる。
ちなみに、前は晴香♡
(良かったしゃべれる人がいて)
「じゃあ、移動しろー」
「…………」
(気まずい!!)
石田は、石田の前にいる大城としゃべっている。
(まだ、いいけど…授業中とかどうしよう…)
紗輝は、不安を抱いた。