Dグレ
□菓子。
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「う、…はぁッ、はッ、」
喉が焼けるように熱くなった。
掻き毟りたくなるような喉の痛み。
私は堪らずその場に蹲った。
「助け…‼︎」
涙がジワリと滲む。
これは、本格的にヤバイ。
ポロリと私の手から落ちたのは、他でもない、カップケーキだった。
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事の発端は、些細な事だった。
今思えばあの時可笑しかったなと気づくべきだった。
「名無し〜僕、お菓子作ったんだよねぇ」
ロードのその手に握られたカップケーキが後々自分の喉を破壊するなんて思わないだろう。
「ロードが?珍しいこともあるものですね。」
何も疑わず受け取った自分を殴ってやりたい。
それで自分は死にかけるんだぞ、と。
「まあね〜♪」
私にカップケーキを渡し終えたロードはクルクルとご機嫌に回る。
「ティッキーにもあげたいんだけどいないんだよねぇ〜」
「きっとホームレス仲間のとこにいますよ」
そんな会話をして、ロードはご機嫌なまま何処かへ行ってしまった。
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