Dグレ

□学。
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「ティキ、私には貴方の中の公式がどうなっているのかわからないのです。」

ティキの書いた解答に私は軽くショックを受けていた。

「何故、xは1087にまでなるのでしょう。1を代入してそこまで成長するなんて大出世ですね」
「俺学ねぇんだって…。でも書けばいいんだろ?」

若干汗をかきながらもティキは笑顔でごまかす。

「おい〜〜、先生に僕を馬鹿だって思わせたいわけぇ〜?」
「ロードが不憫です」
「あれ、なんで俺が責められてんの?俺のが不憫じゃねぇか」
「みなさン♡今夜寝たければ手を動かしましょウ♡」

千年公の声に私達は目の前の問題集の山を見つめる。
千年公、これを今夜中にやる気なんですか…?
私は絶望感を味わいながら衝撃的なティキの数学の問題集を元の位置に戻す。
もうどうとにもなれ。

「ロードもよくこんなに溜め込みましたね」
「僕、宿題嫌いなの〜」

相手がティキなら殴っていたが、ロードなら仕方が無い。
私はどうやらロードには甘々なようだ。
そのまま問題集の山の一番上のものをとる。
今夜はどうやっても、寝れそうにはない。
家族総出で宿題をやる光景は、小学生の夏休み最後の日くらいだろう。
だが残念、ただの週末だった。

「うふふふフ♡頑張りますよォ♡」

ものすっっっごい速さで書いている千年公にはある種の狂気を感じた。









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