暁のヨナ 〜優しき緑の光〜
□第四話:素直=気付き、認めること
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「ミツカちゃん、今日はお疲れ様。昨日お風呂に入れなかったから気持ち悪いでしょ。入っておいで。」
夕食の後片付けを終えた蜜香へ、開口一番にジェハは言った。
蜜香は一瞬キョトンとするも、首を横に振りながら返事を返す。
『私は、ここでは1番下っ端ですから。1番最後に頂ければそれで良いです。』
謙虚に言う蜜香にジェハは大きく頭を振り蜜香の肩を掴んで必死に言った。
「ダメだよ、ミツカちゃん!君のような可愛らしい女の子に男どもの入った後の男臭いお風呂に入れだなんて言えない!遠慮する事は無いよ。ギガン船長も先に入るよう言ってるんだ!」
ジェハの余りにも必死な姿に蜜香は戸惑いつつ、返答に悩んでいると、ジェハが怪しげに笑いながら蜜香の腰に腕を回し自身の方へ引き寄せて言う。
「………それとも、僕と一緒にお風呂へ入る?」
腕に力を込め更に体を自身へ近付けるジェハの行動に、蜜香は顔を僅かに赤らめつつ、その腕から逃れようとジタバタもがいた。
蜜香のその可愛らしい行動に、ジェハの顔は更に緩む。
ジェハは、右手を蜜香の腰に回したまま左手で蜜香の顎を持ち上げ、顔を近づけた。
「本当、ミツカちゃんは可愛らしいね。君の表情と行動はどんなものであってもこの僕を欲情させるよ。君に溺れ過ぎて僕は狂ってしまいそうだ。」
『なっ…何言って…』
蜜香は困った表情を浮かべるとジェハの左手から逃れる為、ジェハの左手を両手で掴む。
ジェハは、蜜香の行動に素早く反応すると、蜜香の両手首を掴み壁へ蜜香を押し付けた。
“女性は真綿でくるむように大事にする主義” のジェハとしてはあり得ない行動である。
それを解っている蜜香も、彼の行動に驚かされ、目を大きく見開いた。
ジェハは蜜香の目を見据えると、蜜香の耳元へゆっくりと顔を埋める。
『…やっ!?ジェ…ジェハ!止め…』
ジェハは蜜香の制止の言葉を気にも止めず、行為はエスカレートし蜜香の耳を甘噛みした。
蜜香は擽ったいような、甘酸っぱい快感に身を震わせながら生理的な涙を浮かべる。
ジェハは蜜香のその表情にゾクゾクッと体を震わせると、蜜香の首元へ顔を埋めようとする。
『…………や…』
絶体絶命の危機に、蜜香が目をギュッと瞑った時だった。