短編

□返り討ち
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静かなアジトの中
俺以外は誰もいない
皆どこかへ出かけた
いや、俺がどこかへ行ってくれと言った
今日、この日
何度も繰り返し奴が来ると確信したこの日
今日はやれる訳にはいかない

時計の針を見る
あと1分
そろそろ奴が来る
そう思うと笑みがこぼれる
もうそろそろ
もうそろそろ…

「…よォ、今日も来てやったぜ?…って、あ?」

コノハさんの黒い人、『クロハ』
そいつは今まで何度も俺たちを殺してきた
クロハは辺りを見渡せば俺しかいないと分ると俺の方をにらみつけてくる

「…他の奴らはどこだ」

「キドとかカノっすか?いまは野暮用で家を出てるんすよ」

俺は何事もないかのように笑を作りクロハに近寄る

「…ふーん、じゃあお前から殺していいんだ?」

クロハがニタァと笑う
その顔を壊したい
俺はその一心だった

「だめっすよ、今日は返り討ちなんすから」

「は…ッつ!!!?」

クロハが油断した時に俺は持ち前の力で押し倒す
訳がわからないとでもいうかのように不安な顔をしているクロハ
抵抗されては困ると思いクロハの首についていたネックウォーマーを取り手にキツく結びつける
これで準備完了

「なに、すんだよ…」

クロハは睨んでくる
でもそんなの怖くない
いまは俺の下にいる

「そんなに体強ばらなくても大丈夫っすよ?酷い事はしませんから」

俺はまたにっこりと笑う
その瞬間目の前のクロハの顔が一気に青ざめる

しっかり笑えていなかったのだろうか
まぁいいや
そんなことを思いながら俺はクロハに覆い被さった
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