NARUTO中編集1
□I have sick. 中編 ☆
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『うー、ゲホゲホッ……はあ……。』
九尾の言うとおりに、30分だけ寝た。しかし、未だに体はダルく、頭がクラクラする。
ナルトは台所に行くと、コップに水を入れ、一口飲んだ。
『っ!?ゲホゲホッ……ぐっ。……はあ……はあ……ゲホッ。』
口に含んで飲み込もうとしたが、そのまま吐きだしてしまった。
息苦しそうに浅く呼吸しながら必死にキッチンにしがみついた。
そうでもしないと、そのまま倒れてしまいそうだ。
《ナルト……》
九尾が心配そうに声を掛けるが、それに答える余裕はナルトにはない。
それどころか、九尾が話しかけてることさえ気付いてないのかもしれない。
『ハハ……ヤバイかも。久しぶりにしんどい。』
ナルトは乾いた笑みを漏らしながら呟いた。
近くに置いていたタオルで口元をぬぐうと、洗面所に移動して、顔を洗った。
肌に触れる水が、冷たくて気持ちいい。
『熱でもあんのか?』
ナルトは不思議そうに自分のおでこに手を当ててみた。しかし、熱があるのかすら分からない。
まあいいか、と気楽に考え、下忍用に服に着替えた。
相変わらず、体は怠いが、下忍用の服を着てしまえば、特に気にもならなくなった。
それは、表のドベのうずまきナルトとして、行動しないといけないという気持ちが、そうさせているのだろう。
本当なら、病院へ行ったり、クスリを飲んだり、寝ていなければならない。
なのに、ナルトは熱も測らず、食べず飲まずで、クスリも飲んでいない。
ナルトは、朝食を食べるのを諦めると、そのまま家を出た。
ナルトの顔には、しんどいという表情はない。いつものドベナルトらしい笑顔があるだけだ。
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