『届かない真実』 完結
□7.最終日
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「ウォンバイ 越前!6−3」
「ウォンバイ 越前!6−2」
「ウォンバイ 越前!6−4」
「ウォンバイ 越前!6−0」
「ウォンバイ 越前!6−4」
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8人を相手したが、リョーマは負け知らずだった。
言い換えれば、リョーマに8人が挑んだが、誰一人、勝てなかったのだ。
「くっ、強すぎだろ……。7人相手してたのに、全く衰えてねぇ……」
赤也は悔しそうに呟いた。足はガクガクで、まだ起き上がれない。
それに対して、リョーマは息は乱れているものの、まだまだいけそうだった。
「まだまだだね」
((((((か、〜〜〜〜かわいすぎだろ!!))))))
フッと笑った顔に、全員の心の声が一つになった。
初対面だとか、何も知らない人には、生意気な笑みしか見せないリョーマが、落ち着いた穏やかな笑みを見せてくれる。
立海も氷帝も、その事実がすごくうれしかった。
もちろん、最初会ったときは生意気な笑みだった。
けれど、リョーマのことを知って……初めて本当の笑みを見たときは、うれしすぎて、全員が夜、寝られなくなった。
跡部や幸村には負けるが、少しぐらいは心を許してくれているのだと、実感できた。
だからこそ、守りたいと思うのかもしれない。
「次は、ダブルスVSリョーマしてみる?」
「部長……それはあんまりにも……」
幸村の言葉に、赤也は思わずガバッと起き上がった。
けれど………
「いいよ。やろうよ」
リョーマの一言で決まってしまった。
「仁王・柳生VS越前」
が始まったのだが………
「なんか……」
「うん……」
「俺、自信なくしてきたかも……」
「た、たるんどるぞ、赤也!!しかし………」
「ウォ、ウォンバイ 越前!6−4!!」
「勝っちまいやがった……」
「すごいな……」
「はい。……でも、どこからあんな力が出るんでしょう……」
「「さすが越前!!」」
「………ウス」
ダブルスの二人に負けず、しかも勝ってしまったリョーマに、一同唖然としたまま固まった。
さっき、8人とシングルスで戦ったばかりで………相手はダブルスで………
さすがに疲れたのか、ベンチに座ったリョーマだが、一体どこにあんな体力が秘められているのか………。
でも、……否、だからこそ、リョーマから目を離すわけにはいかなかった。
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