『届かない真実』 完結

□6.合同練習
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   * *


今夜、いつもの場所で会おう










リョーマの元に、同じ内容のメールが二通届いた。

言わずもがな、幸村と跡部である。

真田と宍戸は呆れながらも、快く行って来いと背中を押してくれた。




リョーマはラケットを持つと、誰にも見つからないように(抜け道を通って)外に出た。

この抜け道は、幼いころ、三人で監視者………基、世話役から隠れて外に出るために作ったものだ。










「景吾!精市!!」


リョーマは、二人の姿を見つけると、後ろから飛びついた。


「「リョーマ!!」」

「久しぶりだね。ここに来るの」

普段の生意気な笑みとは違い、柔らかな笑みを見せるリョーマに、二人はそっと顔を見合わせ、ほほ笑んだ。


二人にとって、リョーマの笑顔が何よりの喜びなのだ。

………一度、あのリョーマを知ってから。



「テニスしよ?」

かわいらしく首を傾げるリョーマに、二人は勢いよく頷いた。










パーン パーン


ラリーが続く中、他愛もない話に花を咲かせる三人。

たった一球に10分も使うほど………



「リョーマ、青学はどうだ?」

「楽しいよ?強い人いるし」

「全く、何で青学になんか。立海に来ればよかったのに」

「アーン?氷帝の間違いだろーが」

「絶対、立海!!みんな、リョーマを大切にするよ?」

「ハッ、氷帝なら退屈させねぇーぜ?200人もいるし、楽しめるだろ」



「………青学は親父がいたとこだし、家から近いし」



「「なら俺/僕の家にっ!!」」

「………両親から離れられると思う?」

「「うっ……」」

「……今度こそ、母さん、壊れちゃうよ」


その理由を知る二人は、だまらずにはいられなかった。

球を打ち続ける音だけが聞こえる。




とても………静かな夜だった。



7.最終日
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