『届かない真実』 完結
□5.合宿開始
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「………門入って、すでに5分も経ってるんですケド……?」
まだ着かないんですか??
ボソッと呟かれた言葉は、初めて訪れた者、全員の心の声だった。
「(門から家まで、車で8分かかるんだよね)」
リョーマは少し呆れながら、流れる景色を堪能していた。
久しぶりに見た景色はほとんど変わっていない。
キキィ―――ッ
「着いたぞ」
「にゃ〜!ようやくだにゃ〜」
「8分。ふむ……長かったな」
「忘れ物はないか。行くぞ」
次々と降りていく先輩たちの後に続いて、リョーマもバスから降りた。
風がほほをなでる。
「(気持ちいい……)」
「よう、手塚。ようやく来たか」
「合宿の間、世話になる」
「ハッ、気にするな。おら、もう立海も来てる。行くぞ」
「あぁ、行くぞ。忘れ物はするなよ」
手塚の言葉とともに、跡部の後ろについていく。
その際、一度リョーマを見た跡部に、リョーマはにこりと笑ってやった。
喜びを伝えるために………
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