『届かない真実』 完結
□1.始まり
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* *
―――― 一週間前
プルルル〜♪
「あ、メール?」
「おちび?おちびがメールなんてめっずらし!しかも、着メロが音楽に設定されているし!!」
「別に……。俺でも、メールぐらいはしますよ。……めったにしないけど」
リョーマは菊丸に対し、そう答えながら慣れた手つきでメールボックスを開く。
「(跡部さん?………それに、幸村さんからも………)」
不思議に思いながらも、本文を読む。
‟リョーマ、今日の部活が終わったら、ストリートテニス場においで。
跡部と待ってるからね。
久しぶりに、会って話そう?楽しみにしてるよ!"
これは、幸村さんの。
跡部さんのも、ほとんど同じような文だった。
………ちょっと偉そうだったけど。
断る理由もないし、リョーマ自身、二人に会いたかったので、了解とだけ送り返しておいた。
「越前?」
「えっと………急な用事ができたんで、今日は帰るっス」
「え!?マック寄ってかねぇーのか!?」
「また今度お願いするっスよ。………もちろん、桃先輩のおごりで」
「ちゃっかりしてやがる」
「……じゃあ、お先っス」
リョーマは速攻で着替えると、部屋を飛び出した。
おそらく二人はすでに向かっているか、ついているのだろう。
リョーマはそのまま、待ち合わせ場所に急いだ。
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