NARUTO短編集1
□サンタさん?
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────12月24日。クリスマス・イブ。
里内では、サンタの格好をする人がたくさんいた。
そんな中で、静かに雪が降っている。
今年は、めずらしいホワイト・クリスマスだった。
「「「「「メリークリスマ〜〜ス!!」」」」」
その日は、ナルト以外の4班の下忍、担当上忍が集まっていた。
豪華な料理に囲まれ、談笑している。
「ナルトも来ればよかったのにね。」
「24日は無理なんだって。」
ナルトにサンタの服を着せようと、目論んでいたいのとサクラは、残念そうに料理を食べていた。
ナルトがいないだけで、少し盛り上がりが欠けるパーティー。
特に、今年は!と思っていた男性陣は、半分やけ食いになっていた。
そのパーティーは、真夜中の11時まで続いた。
『疲れた………。』
そのころ、ナルトはもう何十件目になるか分からない任務を遂行していた。
「毎年毎年、すごい量ねえ〜〜。」
特別上忍のアンコはげんなりしながら頷いた。
「ナルト、こいつどうする?」
『イビキに任せる。』
「御意。」
『てか、この姿で、本名呼ぶなよ。』
苦虫を噛みつぶしたような顔になるナルト。しかし、疲れてる為か、言葉に覇気がない。
「ゴホゴホ……ッ。人の気配はありませんよ?」
『そういう問題じゃないだろ。』
ナルトは深いため息を吐くと、残りの任務を終わらすべく、その場を後にした。
慌ててナルトの後を付いていく特上。
「そういや、メリークリスマ〜〜ス!!ナルト〜〜〜〜!!」
『うわっ。疲れてるっつったろ!抱きつくな!』
次の任務地の近くに降り立ったナルトに、アンコが急に抱きついてきた。
しっかりと受け止めながら怒るナルト。しかし、やっぱりいつもの覇気がないため、その姿は怖いより可愛らしい。
「んも〜〜、可愛い!!」
ハートマーク付きでいわれ、イビキ達に助けを求めるように視線を投げかけるナルト。
しかし、その2人も巻き込まれないようにと顔を背けている。
『ちっ。上等だ。おい、アンコ元気なら残りの任務がお前がやるか?』
残りの任務数は、数十件。残酷な話にアンコの顔は真っ青に染め、慌ててナルトから離れた。
『はあ……。……いくぞ。』
「「「御意。」」」
暗部総隊長の顔に戻ったナルトに、自然に背筋を伸ばす特上の3人。
一瞬にして消えたナルトを追って、3人もその場から消えた。
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