『Lost and Rescue〜囚われた心〜』 完結
□第1部 脅かされる心4
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―――越前、次の休みにストリートテニス場のはずれにある高架下のテニスコートに来てくれ……
「……ってドコ?そこ」
レギュラー戦も終わってレギュラーのユニホームももらった日、リョーマは手塚に呼び出された。
そして冒頭の言葉が書かれた紙を渡され、それに従ってストリートテニスの外れまで来たが……
「普通、地図渡すとかしない?アメリカから戻ってまだ1週間なんだけど……」
テニス部の練習に明け暮れて、桃と海堂と行ったマック以外の場所などわかるはずもなかった。
適当のその辺を歩いてみたが、これ以上動くと迷子になると思い、おとなしく元いた場所に戻る。
部長の携番なんて知るはずもなく、そしてリョーマが携帯を持っているわけもなく、連絡を取ることすらできないでいた。
「あれ?何してんだ?越前」
「桃先輩……海堂先輩……」
偶然通りかかった2年レギュラーに、リョーマはほぅ……と息をついた。
彼等なら部長のいる場所を知ってるかもしれない。
「ここ……分かりますか?」
「何々?……あー、ここか」
「分かるっスか?」
「おう、ついて来いよ」
桃を先頭にリョーマはついていく。
「えっと……いいんスか?2人で出かけてたんじゃ……」
「気にすんなって」
「ふん、困ってるやつを放っておくなどしねぇ」
だから気にせず頼れという2人に、リョーマは驚いた。
なんて返せばいいのか分からず、とりあえず今は素直についていく。
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