NARUTO長編(仮)
□6.零番隊
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『イタチ兄!』
「ナルト君」
ナルトは、イタチを見つけると、勢いよく抱きついた。
あれから、仲良くなるのには半年という長い時間がかかった。
だいぶかかったが、今では何とか打ち解けることができた。
ナルトも、少しずつ心を開けるようになり、何度か、笑顔を見ることができた。
それでも普通の子供と比べると、まだまだ感情が足りないのだが。
『今日は何?』
「オムライスでも作ろうかなと思ってる」
『オムライス!』
ナルトは、イタチを台所に引っ張っていった。
今でも、毒を入れてないかの確認をするため、一緒に台所に立つようにしている。
そして、食べる前には、イタチがナルトのご飯を一口食べ、大丈夫なことを証明してから食事するようになっている。
「ナルト君、おいしいかい?」
『うん』
今では、イタチはうちはの家に帰ることはほとんどなく、ナルトの側にいることが多くなった。
いなくなるのは、ナルトが寝る時間帯。
それでも、強力な結界を張って、人が入ってこないようにしている。
「今日は何をしようか?」
『しゅぎょー!』
イタチはそんなナルトの姿に笑いながら、食器を片付けていく。
料理を作る時も一緒だが、ナルトも手伝い、毒を塗ってないかを確認していく。
その日は、晴天だったので、死の森の光の当たるところに行き、体術の修行をした。
元々、素質はあったし、何度も命を狙われ、防衛本能が働いていたからか、中忍レベルになるのは、早かった。
ナルトは、力を隠したままだったので、イタチはそれには気付いていない。
だから、真剣に護身術を教えていく。
お昼になると、一緒に作ったお弁当を食べ、巻物を読んだり、暗号を解いたりした。
イタチにとっても、その時間は幸せだと思っていた。
弟と一緒にいる時間も好きだが、ナルトといると、もっと楽しかった。
けど、それもそんなに長くは続かなかった。
ナルトが、3歳半になったころには、約半年前に入ってきた暗部が総隊長になった。
それからは、その人その人にあった任務を振り分けられるようになり、随分達成率も生存率も上がった。
イタチも、その人は尊敬していた。
だが、今は忍不足。イタチもかり出されるようになり、ナルトとの時間も段々減っていった。
ナルト自身は、それを良く知っていたので、笑顔で頑張ってと送り出していた。
そうこうしていくうちに、ナルトと会える回数がどんどん減った。
時々会ったとしても、今までのように、修行といって、外に出ていくこともなかなかできなくなった。
そんな中でも、ナルトに対する暴力、暗殺はなくならなかった。
それを知りながら、助けてやれない自分の無力さを恨んだ。
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