『君が笑顔でいるために』 完結
□4.Chance
1ページ/5ページ
「集合!!」
翌日から参加することになったリョーマは、一応一年の中にいた。
……しかし、顔は不満一杯である。
「一年は、ボール拾いと素振り500回とに分かれてやること。2、3年はサーブ練習。
レギュラーは練習メニューをこなすように。以上、解散!」
来ない竜崎先生の代わりに指示を出すのは、部長の手塚。
「「「「「はい!!」」」」」
「…………」
元気よく返事するテニス部。
リョーマは、そんな彼らを冷たい目で見ていた。
パーンッパーンッ
2、3年が練習してる中、リョーマを含む一年半分は球拾い。
正直、アメリカじゃ専門の人がいたから、球拾いなんてしたことなかった。
……メンドクサイ。
「(こんなんじゃ、いつまでたっても試合できないじゃん。………時間………ないのに………)」
もともと口数の多いリョーマじゃないので、無言で球拾いしてると、周りから距離を取られた。
近寄りがたい空気を出していたのだろう……。
しかし、リョーマからすれば、この方がよかった。
下手に近づかれるよりは…………
・