テニス短編
□雨
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「あ、雨……」
長い授業が終わり、これから部活だ!と意気込んで外に出たリョーマは、空から落ちてくる水滴に目を奪われた。
空は真っ青なのに、落ちてくる雫。
「きれー……」
男の格好をしているが、一応女の子であるリョーマは、こう見えてきれい物が好きだ。
しかし、きれいではあるが、このままでは大好きなテニスはできない。
小さくため息をつくと、取り合えず部室に向かった。
「ウィース」
ポツポツと聞こえる雨音をBGMに、部室に入っていく。
「おっちびー!」
「菊丸先輩……」
晴れでも雨でも変わらないうるささで駆け寄ってくる先輩に、リョーマは苦笑いしながら避ける。
「ぶつかるんで、飛び込んでこないでください」
「ぶぅー!!」
「越前、着替えるのか?」
「あ、ぶちょー。はい」
「……全員、外に出ろ」
一応性別を考えて、リョーマが着替える時はレギュラーは全員外に出てくれる。
それに感謝しながら、リョーマは急いで着替えた。
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