『壊れてしまう前に…』 完結
□4.告白
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「(……なんで、俺はこんなとこにいるんだろう……)」
現在、リョーマがいる場所は、コートから影になる水道の裏。
目の前には、マネージャーの立川さん………
「(……確か、今って、部活中じゃなかったけ……?)」
―――数十分前
「越前君、少しいいかな?」
「……何スか?」
「話しておかないといけないことがあるの」
「……今、部活中なんすけど?」
練習中に話しかけてこないでほしい。
そんなオーラを出しながら、そっけなく受け答えしていく。
が、相手は気にせず、話しかけてくる。
「休憩時間になったら、水道の裏に来てね?」
「……ムリっス。やることあるんで……」
「……待ってるから」
立川さんはそういってどこかに消えた。
「……何?脅してるわけ?」
待ってる、つまり……リョーマが行かなければ帰ってこないイコール、マネージャーの仕事をほったらかし。
⇒きっと、今ならリョーマが行かなかったからという理由で、リョーマの所為になる。
一瞬にして相手の思惑が理解できた。
眉を寄せるも、もう逃げ場はない。
きっと、レギュラーの先輩に言っても、行けとしか言われないだろう。
「ハァー……」
溜息をつくしかできない。
「あ、大石センパイ、不二センパイ……」
「越前?」
「立……マネージャーに話さないといけないことがあるって呼ばれたんで、少し行ってきます」
大石・不二だけでなく、ほとんどのレギュラーには聞こえているようだ。
とりあえず、それを伝えて言われた場所に向かった。
………そして、冒頭に戻る。
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